「ちがうで。こうやって、押しながらするが。」
アイロンをかけよったらおかあがいうてきた。
スー、スー、と洗濯物の上をなでるようにかけよったら言われた。
服の繊維をギュッと伸ばしていくように、おかあは強く押しながらアイロンをかけた。
その姿を見てからは、自分もギュッとかけるようにしゆ。
今日はとある大事なお通夜の為に白いシャツにアイロンをかけた。
おかあに言われた通りにし、白いシャツはつんとのびた。
アイロンをかけよったら、時間が止まる感覚がする。
そして、灰色のアイロン台の上に透明な時間がながれる。
その時間がとても大切なものであるとおかあは教えてくれた気がする。
改めて、おかあの大きさを知る。
水蒸気よ永遠に
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by boncoin
| 2023-05-17 23:01
| 暮らしの事